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多人数用声劇台本

【声劇台本4人】タイターの館/エビ戦篇【1:1:2・20分】

さぁ、今宵のお客様のお悩みは……。
宵闇(よいやみ)占い師、タイターの館へようこそ。

〇文字数:約5500字

〇推定時間:20分~30分

〇登場人物:1:1:2

タイター:性別不問。割とまっとうそうな性格。

グリーラ:身長138cm。ゴブリン。へへっと笑う癖と、嫌味っぽいところがある。

蛯名拓(えびなたく):狂笑いアドリブあり。25歳。エビ好き。絵里とバカップル。

浜絵里(はまえり):殴られアドリブあり。25歳。エビ嫌い。拓とバカップル。

〇その他:

0⇒ト書き

シュールなこと言ってるので、あまり深いツッコミはしないでください。お願いします(o*。_。)oペコッ

イメージBGM


お借りした音源▶▶

Uneasiness written by Amege DOVA-SYNDROME

入店するときのベル written by MATSU DOVA-SYNDROME

効果音ラボより 夜の繁華街、

 

タイターの館/エビ戦篇 筆先ちひろ

0:
0:【タイターの館/エビ戦篇】
0:
グリーラN:鬱陶しいほどのネオン。
グリーラN:日々の疲れを、酔いに任せて吐き出すスーツ姿の男たち。
グリーラN:千鳥足で歩く男女。
グリーラN:汗と、アルコールと、食欲をそそる、肉の匂い。
グリーラN:見上げた夜空には、一面の黒が広がっている。
グリーラN:
グリーラN:君は、ここ、大都会東京で奇妙な噂が広まっているのを知っているだろうか。
グリーラN:何やら、突然と現れ、突然と消える「占いの館」があるらしい。
グリーラN:扉の色はチョコレートブラウン。
グリーラN:その戸を開くと、耳に心地よいベルが鳴るそうだ。
グリーラN:
グリーラN:しかし、建物ひとつ、そっくりそのまま無くなってしまうなんて、
グリーラN:そんな話が本当にあるのだろうか?
グリーラN:いや、ここは大都会東京。
グリーラN:他と時間軸の違う、眠ることのない街。
グリーラN:どんなことが起きても不思議ではないのだ。
グリーラN:
0:   ベルSE(カランカラン)
タイターN:さぁ、今宵のお客様のお悩みは……。
タイターN:宵闇(よいやみ)占い師、タイターの館へようこそ。
0:間。
0:   タイター、絵里と拓、占いの館内。机の向かい側に腰掛けている。
タイター:申し訳ないが、アイスティーしかないんだ。こちらに置かせていただくよ。
タイター:それで?お二人のお悩みは?
絵里:わ、私、エビが食べられないんですっ!
タイター:は?
絵里:だから、エビが食べられないんですっ!
タイター:んー……、一応説明しておくと、ここはタイターの館。最近噂の「奇妙な、占いの館」なわけだが?
絵里:知っています。館(やかた)自体が神出鬼没、何でも解決する凄腕占い師、タイターさんですよね?
タイター:いかにも。じゃぁ、もーっとこう、心の奥底からもうどうしようもない、助けてーっていうお悩み、あるでしょ? それが聞きたいんだけど?
絵里:だから、心の奥底から、エビが食べられないって悩んでるんです! ね?
拓:はい……。
タイター:はいって、君ねぇ。いいの? 彼女がこんなしょーもないことで、心の奥底から悩んでて。
拓:しょ、しょーもないことって!
拓:俺たちは真剣に悩んでるんです。 俺の一族は大のエビ好き、彼女の一族は大のエビ嫌い。
拓:このままじゃ俺たち別れるしかないのかなって……。
絵里:この間、彼のご実家に挨拶に行った時も、口にエビ突っ込まれそうで、このままじゃやっていけないって。
絵里:うっ……うっ……私たち愛し合ってるんです。それなのに……。
拓:泣かないで、絵里ちゃん……。俺だって愛してるんだ。
絵里:拓ちゃん、私も! 私も愛してるわ!
拓:ありがとう、でも俺の方が絵里ちゃんを愛してる!
絵里:いいえ、私の方が愛してるわ!
拓:いやいや、俺の方が、世界一、宇宙一、君を愛してる!
絵里:拓ちゃん……。
拓:絵里ちゃん……。愛してるよ。
タイター:(遮るように)グリーラ! おい、グリーラァァ!
グリーラ:はいはい、お呼びでございましょうか?
絵里:ヒッ。
拓:うわぁぁ、ば、ばけもの……!
タイター:チッ……。客人が来ているときはフードを被れといつも言ってるだろうが。
グリーラ:あぁ、申し訳ございません。
タイター:今更被るな、もう遅い。
グリーラ:へへへ。しかし、今宵の客人は失礼でございますね。
グリーラ:人の顔を見て化け物などと。バカップルというだけで鬱陶しいのに。
タイター:バカップル、というのはさて置き。仕方ないだろう。この時代、ゴブリンは「まだ」空想上の生き物だ。
拓:ゴ、ゴブリン? これ本物なのか? 着ぐるみとかじゃなく?
タイター:あぁ、そうだ、本物だ。君たちに危害を加えることはないから安心してくれ。
絵里:安心してって、無理よこんなの。
絵里:ねぇ、もういいよ。拓ちゃん帰ろ。お代ならお支払いしますから、もう帰ります。
タイター:エビ嫌いのお嬢さん。全て今更だ。
タイター:少し黙ってくれるかな? そこの緑色のバケモノに襲われたくなかったら、お口にチャック。いいね?
グリーラ:(ボヤくように)すーぐ人を悪者にする……。
拓:アンタついさっき危害は加えないから安心しろって言ったじゃないか!
タイター:あぁ失礼。私の仕事の邪魔をしなければ、というのを付け足し忘れていた。
拓:なんだよそれ……。
タイター:因みに、私の仕事というのは君たちの悩みを解決すること。占い師というのは体(てい)よく名乗っているまでだ。
タイター:君たちに不利なことは何もない。大人しくしていてくれ。
タイター:というか、君たちはもう大人しくしているしかないんだ。分かるだろう?
拓:くっそ……。
グリーラ:建物自体が神出鬼没って時点でヤバいでしょーが。何を今更喚いてるんでございましょーね。
0:間。
0:
タイター:おいグリーラ、時空扉(とびら)は壊れてないだろーな。
グリーラ:えぇ、出現位置。誘い込んだ客人に間違いはございません。
タイター:チッ……エビだなんだとふざけたこと抜かしやがるから、ついにガタが来たかと思ったが。やれやれ。
タイター:悩みは、別れるしかないだったか。二人の先にある時間軸を探れ。
グリーラ:承知致しました。へへッ。
グリーラ:(ふざけた調子で)あぶらかたーぶら、かたーぶら。緑、黄緑、黄色まで。みぃーんなゴブリン、なーかよく。
グリーラ:拓ちゃん、絵里ちゃんバカップル。爆ぜろ、飛び散れ、くそったれぇぇぇぇ!
絵里:やーだー、もう帰りたいぃ(泣くように)。
拓:こ、この化け物! あっち行けッ!
グリーラ:へへへへへへ。
タイター:おい、グリーラ。悪ふざけはやめろ。五月蠅くて敵わん。
グリーラ:へへ、すみませんね。つい。
タイター:んで、見えたか?
グリーラ:えぇ、ばっちりにございますよ。さて、そこの拓ちゃん、絵里ちゃんも覗いてごらんなさい。この水晶の中を。
絵里:え、えぇ?……ッ。人?人が見えるわ! ねぇ、なんか私たちに顔似てない?
拓:言われてみれば……。な、なんだよこれ!
グリーラ:これは今からおよそ100年後、2100年代の世界。
拓:はぁ?
グリーラ:遠いようで近い未来。
グリーラ:あそこにいるのは、あなた方お二人の子孫。
拓:子孫って、ふざけてんのかよ?
グリーラ:いいからいいから。目を凝らして、耳の穴かっぽじって、黙ってよーく御覧なさい。
グリーラ:硝煙、血の匂い、おやおや、どうもこの世界はなかなか、悲しい未来のようにございますねぇ。へへへへへ。
0:間。
0:   拓、絵里。水晶の中で戦時下。
0:   絵里、子供を連れ走って逃げている。
0:   拓、絵里を殺そうとグループで追っている。
0:
絵里:はぁはぁ……。
拓:おーい、どこまで逃げる気だぁ? そっちは行き止まりだぞー。
絵里:はぁ、はぁ……。くそッ……。みんな、大丈夫、怖くない。怖くないよ。
拓:海老嫌いの女神さまとその子供たちも、どうやらここまでのようだなァ!
拓:(手下に言う)おい、全員始末しろ。
絵里:や、やめて! こないで! この子たちだけは、お願い!
拓:いい顔で命乞いするじゃねーか。あぁ?
拓:そいつらだけ生かしてどうする? 一人で生きていけんのか?
絵里:……ッ。
拓:こんなクソガキ連れて、あんたもよくやったよ。
拓:そうだ、土下座したら見逃してやらねーこともねーぜ。流石にちっちぇーガキやるのは俺でも心が痛むしなぁ。
絵里:……お、お願いします。この子たちだけはどうか、どうか見逃してください。
拓:あははははは。いい眺めだなーおい。
拓:(手下へ言う)お前ら、ガキだけは逃がしてやれ。
絵里:……ほ、本当?
拓:なーんて、言うと思ったか? エビ嫌いの劣等種さんよォ!おらっ(蹴りアドリブ)
絵里:(蹴られアドリブ)このクソ野郎!
拓:何とでも言え。エビ嫌いはな、みーんな始末されんの。
拓:どーせ逃げたって死ぬんだよ。黙ってここで大人しく死んどけ。 おらっ(2、3発殴りアドリブ)
絵里:痛ッ(殴られアドリブ)……エビが食べられないだけで、私たちには生きる価値もないって言うの?
拓:ねーからこうなってんだろうがよォ? 馬鹿ですか?
拓:折角だ。とっておき、お見舞いしてやるよ。
絵里:……?!
拓:EBI(イービーアイ)二十五式ガトリングガン、略してエビ25式。
拓:新作だ。いい声で鳴けよ?
絵里:……み、みんな逃げて、逃げてぇぇぇーーーー……。(悲鳴アドリブ)。
0:   ガトリングSE。
拓:(狂笑いアドリブ)
絵里:呪ってやる、お前の子供も、その子供も! 呪ってやる……(力尽きる)。
拓:ばーか、呪われてんのはエビが食えねぇお前らだ。
拓:おい、死体、始末しとけ。
0:間。
0:   場面現代へ。
0:
絵里:何よこれ……。
拓:(息荒く取り乱す)な、なんだよこれ……。
拓:みんな、みんな死んだのか? 俺が絵里ちゃんを、小さな子供を、殺した……?
拓:エビ嫌いの劣等種って何だよ? 俺が……俺が……?
絵里:はぁ、はぁ……あれは、私たちじゃない。私たちじゃない!
タイター:いかにも。今見たのは2100年。これから先の話だ。そして、あれは君たちの子孫だ。
絵里:未来って……ふざけないでよ! エビごときであんな悲惨な差別があるっていうの?
グリーラ:エビごとき、でございますか?笑わせますねぇ。
グリーラ:目、耳、鼻が付いた私を、あなた方は何と呼びましたか?
拓:……それは。
グリーラ:化け物と言いましたね。
拓:し、仕方ないだろ! ゴブリンなんて、現実に見たことねーんだよ………。
グリーラ:それは差別ではございませんか?
グリーラ:見た目はこんなですがねぇ、私は感情を持っている。あなた方と違うのはせいぜい、外側くらいなもんですよ。
拓:……ッ。
タイター:差別、それは常に紙一重の違いに過ぎない。
タイター:髪色、目の色、肌の色。人間とは異なるものに対して、恐れを抱く生き物だ。
タイター:しかしそれは、自己防衛のため、仕方のない感情でもある。
グリーラ:2020年、コロナ蔓延を体験した貴方がた世代は、日常の崩壊を目の当たりにしたはずでございましょう?
グリーラ:命が保証された幸せな生活なんて、いつまで続くか分からない。
グリーラ:エビ「ごとき」とおっしゃいますが、人類は目の色、肌の色「ごとき」で大量虐殺をしてきた。
タイター:君たち二人が結ばれない世界のその先。
タイター:2058年、蛯名拓の息子。
拓:俺の、息子?!
タイター:そう、君の息子、蛯名隼人(はやと)がエビの大量養殖に成功し、エビの外皮、内臓をあらゆる栄養素に変換する論文を発表する。
タイター:人口増加の一途をたどる人類。
タイター:蛯名隼人の研究は、食糧問題解決の王手となると同時に、エビ嫌いへの迫害を生んだ。
タイター:2072年、人類は未曽有のエビ嫌い虐殺運動を起こす。
タイター:そして、2100年代が先ほど見たあれだ。最早エビ嫌いに人権などない。
タイター:バカげていると嗤うか?
絵里:……笑わない。笑わないわ。どうすればいいの?
タイター:不思議なことに、君たちが結ばれる世界は、未曽有のエビ戦争を回避する世界へと繋がっているらしい。
絵里:そんなことであの悲惨な未来を回避できるっていうの?
タイター:悲惨の始まりも、幸福の始まりも、所詮「そんなこと」なんだよ。
絵里:……そういうことね。
タイター:いつの時代も、女性は呑み込みが早く限りなく現実的だ。助かるよ。
拓:絵里ちゃん、どういうことだよ。こいつらの話が分かったのか?
絵里:ゴブリン、神出鬼没の館。そんなものが今ここに現実としてあると思う?
拓:いや、でも紛れもなく現実だろ?
絵里:そう、これは現実であり、そして非現実。彼らはこの時代の存在じゃないのよ。
絵里:最悪の未来を回避するために、キーとなる人物の前に現れる、そういう存在。
絵里:そうでしょ、ジョン・タイター?
拓:ジョンタイターって、あの2036年から来たっていう、タイムトラベラーのジョンタイターか? アンタそうなのか?
タイター:まぁ、そうだと思ってくれて構わないさ。
タイター:過去と未来を繋ぐことがが許された時代。そこから来るものは軽々とジョンタイターを名乗っている。
タイター:そもそも、ジョンタイターは一人ではない。この時代にも既に数名のジョンタイターが紛れ込んでいる。
タイター:さて、本題に戻るが。君たちが結ばれることで、それぞれの一族は理解へと歩みを進める。
グリーラ:私共の仕事とは、未来における大規模戦争の回避。
グリーラ:結局のところ、あなた方を結びつけるために参上したということにございます。
拓:でも、俺の一族はエビ好きで……!
タイター:君は、一族と彼女と、どっちが大事なんだ?
拓:もちろん、絵里ちゃんに決まってるだろ!
タイター:だったら、一生かけてでも説得しろ。一族と縁を切ってでも彼女と一緒になれ。
タイター:それが、今回の占い結果だ。戦争を回避しろと言っているわけではない。
タイター:二人で幸せになれと、そう言っているだけだ。
グリーラ:好き嫌いを尊重できない時点で、あなた方の一族は狂ってしまっているのですよ。
グリーラ:個人の嗜好は個人の嗜好。他人に押し付ける必要などない。
グリーラ:ゴブリンでも分かることが、人間様に分からないはずがないでしょう?
絵里:グリーラさん、あなた……。
グリーラ:ゴブリンとは、所詮人間が創り出したモノですから。
グリーラ:エビ好きと、エビ嫌い、それぞれがそれぞれを尊重すればいいだけの話でございましょう?
絵里:あなた、人間から迫害されてきたの?
グリーラ:どうでしたか。もう忘れてしまいましたねぇ。へへ。
タイター:さて、その話は料金外だ。君たちの悩みに対する回答は出した。
タイター:君たちだけでどうにもならないときは、また、現れるとしよう。
タイター:グリーラ、客人を扉までご案内しろ。
グリーラ:はいはい、まったくゴブリン使いが荒いんですから。
グリーラ:ささ、出口はこちらです。忘れ物のないようにご注意くださいね。へへ。
タイター:あぁ。最後に一つ。難しく考えるな。
拓:そんなこと言われても……。
タイター:難しいことなんて、歳をとればで嫌でも考える羽目になる。
タイター:お互いを好きだという、その気持ちで乗り切れるはずだ。
タイター:なんたって、君らは爆発してほしいほどのバカップル、だろう?
グリーラ:拓ちゃん、絵里ちゃん、バカップル。爆ぜろ、飛び散れ、くそったれぇぇぇ!
絵里:ぷっ、あはは。そっか。そうね。行こ、拓ちゃん。きっと大丈夫よ。私たちなら。
拓:絵里ちゃん……。うん、きっとどうにかしてみせる!絵里ちゃん、愛してる!
絵里:私も、愛してる!
拓:俺の方が愛してるっ!
絵里:私の方が愛してるわっ!
拓:いーや、俺の方がずっとずーーーと愛してるね!
タイター:グリーラァァ!早く客人を追い出せ。鬱陶しくて敵わん。
拓:あはは。(絵里と共に笑う)
絵里:あはは。(拓と共に笑う)
0:間。
0:
拓N:鬱陶しいほどのネオンが、輝きを弱める午前0時。
拓N:耳に心地よいベルを鳴らし、チョコレートブラウンの扉を出た。
拓N:不思議と、振り返ってはいけない気がして、前だけを見て二人で歩いた。
絵里N:ジョンタイターと名乗ったあの人物の本当の名を知る日は、きっと、こないだろう。
絵里N:そして、グリーラというゴブリンの辛い過去を知る日もまた、きっと、こないのだろう。
絵里N:いや、正しくは未来なのか?
絵里N:……何にせよ、現代の科学力ではあの者たちを正しく理解するなど、不可能なのだ。
絵里N:私にできることと言えば、お互いを尊重して、拓ちゃんと幸せな未来を掴むこと、それくらいだ。
0:間。
0:
グリーラN:大都会東京が、朝日に照らされていく。
グリーラN:他と時間軸の違う、眠ることのない街。
グリーラN:宵闇占い師、タイターの館。
グリーラN:次現れるのは、貴方の前かもしれない。
タイターN:あぁところで、この話を馬鹿げていると嗤ったそこの君。
タイターN:エビを身近な何かに置き換えてみるといい。
タイターN:君は、何を差別して生きているのかな?
タイターN:それでは、また会おう。

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