―詳細―
君は嬉しそうにあの人のことを話してくれる。私の見たことない顔で。私の気持ちも知らないで
―キャラ―
私(僕)／一人称変更可：ずっと昔から君が好き。だけどその気持ちを言葉にできないままズルズルと来てしまった
作者：みだり twitter
※こちらは寄稿作品です。台本作者はみだり先生です。
一番近くて遠い君／みだり
ねぇ、「君が好きだ」って言ったら
君はどんな顔するかな
きっと、ポカンとした顔で
そして困ったような顔で
「ごめんね」って、笑うと思うんだ
知ってるよ
他の誰でもない、君のことだから
君の一番傍に居た私だから
君の心に、他の誰かが住んでることくらい
知ってるけど
ねぇ、我慢しないといけないかな
たぶん、我慢するべきなんだろうね
君は優しい人だから
私の我儘に振り回されちゃう人だから
こんな言葉は伝えるべきじゃないんだって
分かってる
分かってるんだけどさ
じゃあ、どうすればいいのか分からないんだ
君は嬉しそうに話してくれるけど
そんな顔、見たことないよ
君とずっと一緒にいたけど
そんな風に笑うんだね
ねぇ、きっと私
その人以上に
君のことが好きだよ
悔しいより、君の新しい一面が嬉しいなんて
だって、そうでもなくちゃ思えないでしょう？
悔しいより、嬉しくて
嬉しいより、切なくて
遠くなっていく君が
隣にいたはずの君が、
いつの間にかいなくなってて
手を繋げばよかったかな
それとも、抱きしめればよかった？
どこにもいかないでって泣けば
君は隣に居てくれた？
分かるんだよ
君のことだから
そしたら、君がどんな顔して、
どんな風に言ってくれたかなんて
分かるから
言えないよ
何て言えばいいんだろうね
好きなんて言えなくて
さよならなんて言えなくて
バカだよ
どうしてそんな顔で私を見るの
どうしてそんな顔で私に話すの
何にも知らないくせに
私はこんなに、君のことなら分かるのに
少しくらい、気づいてくれればいいのに
君と話してると時計の針はいつも壊れてて
君と話してると心臓はいつもより賑やかで
君と話してると言葉はいつだって引っ込み思案で
結構、分かりやすかったと思うんだけど
我儘だよね
知ってるよ
知ってるけどさ
良いじゃんか
どうせ、君には何も言わないんだから
どうせ、君は何も気づかないんだから
言えもしない言葉を飲みこんで
叶いもしない夢を見て
突き刺さる透明な針を知らないふりした
馬鹿だよね
知ってるよ
自分の心を押し殺して
仕方ないじゃんか
そしたら君の傍に居られるんだから
ここは私の居たい場所じゃなくても
ここになら私の居場所があるんだから
もう少しだけ、ここに居たって
ねぇ、ちゃんと前を向くから
君以上なんて分からないけど
いつになるかなんて分からないけど
君に笑って言うから
「君のこと、好きだったよ」って
きっと君はポカンとした顔で
そして、困ったような顔で
「そっか」って、笑ってくれると思うから
今だけ、もう少しだけ
